フードドライブの食品安全性に関するフードバンク事業者の一考

フードバンク事業者である我々も、フードドライブを実施する主催者様も、食品安全と正確な情報提供に対する責任を共有しています。その為、食品取引の前にお互いが共通のテーブルについて予めルールを決めておくことが大切になります。そのうえで、フードバンクは責任をもって選別をする役割があります。

さて本日は、普段扱われない、フードドライブの主催者様が負う社会的責任について一考してみました。

故意による食品事故や食品偽装など、食品に関する様々な問題は散発的に社会に現れています。これらの食品問題に直面したとき、事故を招いた個人や団体など、食品を提供した側が直接的な責任を負うことになるのが一般的です。

フードドライブを実施いただく主催者様にも、受け取った食品の安全性を確認し、リスクを最小限に抑えるための適切な手順や管理プロセス(*)を作成し責任を低減する必要はフードバンク同様にあります。なぜなら、国は「当事者間で責任を分担してください」とし、直接的な責任は負わないからです。

これらの責任を怠った場合、フードドライブの主催者様にも間接的にしろ責任を問われる可能性があります。(具体的な状況や関与した人々の行動に基づき、法的責任が適用されるか否か判断されるでしょう。)そして、フードバンク事業者には食品提供リストに記載された食品について、責任をもって選別する責任があります。

このようにフードドライブの食品であっても食料を提供する側・受け入れる側、相互の過程において、トレーサビリティ(追跡可能性)と安全性の確認は必要になると考えています。

例えば、「店頭にボックスを設置し、誰でも食料投かんできる方式のフードドライブ」には、トレーサビリティが担保されているとは言いにくいでしょう。そのため、フードバンクの側が選別して受け取れないという事はあり得ると考えています。

<*参考資料>
◼食品ロス削減目標達成に向けた施策パッケージ(消費者庁HP)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/food_loss/conference/assets/consumer_education_cms201_231222_010.pdf

◼フードドライブ実施の手引き(環境省HP)https://www.env.go.jp/recycle/foodloss/pdf/fooddrive.pdf

◼フードバンク活動における食品の取扱い等に関する手引き(農林水産省HP)https://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/foodbank.html